GnuCashは複式簿記に対応する、家庭や個人事業主、小規模企業などで使える家計簿・会計アプリです。
macOS、Windows、Linuxに対応しています。
GNUのGPLライセンスに基づき提供されており、無料で利用できます。
いきなりアプリを入れて、何をするのか戸惑うと思いますので、その前に準備することを整理しておきます。
GnuCashを導入する前に整理しておくこと
GnuCashは複式簿記に対応しており、簿記の記載手法に基づいて利用が可能です。
複式簿記は、自分自身の資産の状態をを把握するうえで、重要です。
例えば、今いくら現金(または銀行預金など預金)や株券、不動産を持っていて、借り入れがどのくらいあるなどが把握しやすくなります。
簿記というと難しいと思われるかもしれないですが、慣れれば簡単です。
複式簿記に基づく家計管理には、勘定科目(カテゴリのようなもの)の整理が必要になります。
基本的な勘定科目は、5つのみです。
- 総資産: 持っている資産すべて(借り入れなども資産に含む)
- 負債: 借入など、返済が必要なもの(クレジットカード、各種ローンなど)
- 純資産: 総資産から負債を覗いた、実質的な資産(純資産 = 総資産 – 負債)
- 収益: 収入(給料、売上など)
- 費用: 支出(食費、家賃、仕入れなど)
総資産、負債、純資産は貸借対照表に記載され、収益、費用は損益計算書に記載されます。
貸借対照表は必ず、純資産 + 負債 = 総資産になり、純資産が多いほど、実質的な資産を持っていることになります。
多くの資産を持っていても、借り入れも多いという人がいますが、この場合は、純資産が小さいために、実質的に資産が多いとは限りません。
損益計算書は、収入と支出の関係を見ているので、収入より支出が小さい場合は、利益が増えてきます(貯金できます)。
利益は総資産(預金など)と純資産に反映されます。
生活費管理などでこれを使うには、この5つの勘定項目を具体化していきます。
生活費での勘定科目
それでは、生活費における勘定科目の例を作ります。
株式や不動産など、有価証券や固定資産などの管理も可能ですが、始めるところとして、生活費に影響する部分に絞っています。
- 総資産
- 現金(財布などに入っている現金)
- 電子マネー(プリペイド式)
- Suica
- ICOCA
- nanaco
- au PAY
- 楽天キャッシュ
- 楽天Edy
- PayPayマネー
- 銀行預金
- A銀行普通預金
- A銀行定期預金
- B銀行普通預金
- 負債
- クレジットカード
- Aカード
- Bカード
- 借入金(住宅ローン、その他ローン)
- クレジットカード
- 純資産
- 収益
- 給与
- 各種手当
- 受取利息(銀行預金の利息など)
- 配当金(株式の配当金など)
- 雑収入
- ポイント収入
- 費用
- 食費
- 食料品
- 外食費
- 住居費
- 家具、家電、雑貨
- 家事消耗品
- 家賃
- 交際費
- 水道光熱費
- 通信費
- 旅費交通費
- 支払い利子(ローンなどがある場合の利息)
- 社会保険料
- 税金
- 所得税
- 住民税
- 支払い保険料
- 生命保険
- 損害保険
- 給与天引き費用(社会保険料、税金、支払い保険料以外(例:財形、iDeCoなど))
- 食費
勘定科目は自由に設定できるので、自分が知りたい内容に合わせて設定します。
ただ、あまり細かく設定しても、以後のデータ入力や管理が大変になるので、程々にしておき、更に細かく知りたくなったら、細分化していくような進め方をするのがいいと思います。
おわりに
GnuCashを使う前に整理しておく生活費の勘定科目例について整理しました。
今後、この勘定科目を使った管理について紹介していきます。
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