令和5年3月下旬から、KDDIとソフトバンクが通信障害や災害での通信ができなくなった場合の備えとして双方の予備回線に切り替えができるデュアルSIMサービスが提供される予定です。
また、令和5年2月9日のNTTの決算発表会で、NTTドコモもデュアルSIMの提供を検討している旨発表されました。
NTTドコモも開始されれば、大手3社が出揃うことになります。
これによる影響を見ていきたいと思います。
iPhoneは対応済み
まず、デュアルSIMに、スマホなどの端末が対応している必要があります。
iPhoneは、2018年以降のモデルはすべてSIMとeSIMの併用ができ、デュアルSIMに対応しています。
その他は端末により異なります。
メリット(安価で提供される)
従来のやり方では、デュアルSIMを実現するには、複数のキャリア個別に回線契約が必要で、それぞれ基本料金を払う必要がありました。
デュアルSIMサービスは、合算で数百円程度で提供される見込みなので、安価で済む事が期待できます。
仕事用とプライベート用の回線を使い分けることをメリットという人もいますが、これは本来の目的でないだけでなく、同一社を利用している可能性だけでなく、パケット通信を仕事用とプライベート用でそれぞれ回線を切り替えるような線引もできないと思います。
課題はないのか?
こういった障害時バックアップのためのサービスですが、課題はないのでしょうか?
障害発生時のキャパシティ大丈夫か?
昨年、KDDIで大規模障害が発生しました。
この時、KDDI回線のユーザーに影響がありましたが、NTTドコモ回線やソフトバンク回線、楽天回線のユーザには影響はありませんでした。
もし、バックアップ回線を利用できたとすると、KDDI回線ユーザー(シェア30.4%(MVNO含む)、約6,200万回線、令和4年第2四半期(9月末)(総務省統計))が他社へ流れてくることになります。
そうすると、他社の回線がキャパシティオーバーでパンクし、繋がりにくくなるなどの通信障害が発生する可能性が高いと思われます。
NTTドコモやソフトバンクの回線のユーザーは煽りを食うことになります。
そういったリスク軽減対策に期待したいと思います。
ひょっとして、囲い込み?
NTTの決算発表時では、KDDIやソフトバンクの社長と話しているとのことですが、お互いのバックアップを認め合うことで、安全という反面、寡占を維持したい下心も感じられます。
楽天モバイルなど新規参入業者が対応したいときにはいつでも対応できるようなオープンなものであってほしいものです。
おわりに
デュアルSIMサービスの展開とリスクについて考えてみました。
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