3月3日は桃の節句(ひな祭り)です。
歌「うれしいひままつり」の歌詞の始まりは、こんな節です。
あかりをつけましょ ぼんぼりに おはなをあげましょ もものはな
不思議ですよね。3月3日頃と言えば、まだ桃の花はまだ早いです。
他にも節句はありますが、いずれも不思議です。
これは明治6年(1873年)(ちょうど150年前)の改暦で、太陽太陰暦・天保暦(旧暦)から太陽暦(グレゴリオ暦)に移行していますが、日付はこのまま太陽暦に準じて行われるので、季節感覚がずれてしまっているのです。
暦(こよみ)に関しては、国立天文台 暦計算室で詳しく説明されていますので、ご覧ください。
節句とは
節句とは、ウィキペディアで以下のように解説されています。
古代中国の陰陽五行説を由来として日本に定着した暦[要出典]。伝統的な年中行事を行う季節の節目(ふしめ)となる日。
出典:ウィキペディア
この日には、宮中でも節会(せちえ)と呼ばれる宴会が開かれ、このうち5つを江戸時代に公的行事・祝日として定められたもので、今でも意識されて行事などが行われています。
日付 | 節句 | 漢名 | 料理 |
1月7日 | 七草の節句 | 人日 | 七草粥 |
3月3日 | 桃の節句 | 上巳 | 菱餅、白酒 |
5月5日 | 菖蒲の節句 | 端午 | 菖蒲酒、菖蒲湯、ちまき、柏餅 |
7月7日 | 笹の節句 七夕(たなばた) | 七夕 (しちせき) | 素麺 |
9月9日 | 菊の節句 | 重陽 | 菊酒 |
日本での節句の名前は、花などに由来するものが多く、季節感を感じさせられます。
また、今でも節句の料理などは食べますよね。
節句を旧暦で見る
前章の花の節句名と今の日付では、季節感覚にズレがあります。
冒頭にあるように、3月3日では桃の花には早いです。その他、菖蒲(5月下旬〜6月)、菊(10月下旬〜11月)も花の時期が今の日付に対しては早すぎますね。
これを旧暦の日付と見て、新暦の日付で見てみましょう。
節句 | 新暦(令和5年) | 節句 |
1月7日 | 1月28日 | 七草の節句 |
3月3日 | 4月22日 | 桃の節句 |
5月5日 | 6月22日 | 菖蒲の節句 |
7月7日 | 8月22日 | 笹の節句、七夕 |
9月9日 | 10月23日 | 菊の節句 |
なんとなく、花の時期と一致してきたのではないでしょうか。
このように、日本の伝統行事は旧暦で考えたほうがしっくりきます。
旧暦で行われる年中行事も残っている
前章までのように、新暦移行のときに、日付を変えずにそのまま新暦で適用していることも多いですが、旧暦を基本としている行事もあります。
仙台七夕まつり
仙台七夕まつりは、全国で行われていた旧暦の7月7日の季節感に合わせるため、毎年8月6日〜8日に行われています。
お盆
お盆といえば、8月中旬で、仕事のお休みを取る方も多いと思います。
お盆は本来、旧暦の7月15日を中心とした時期に行われました。
令和5年は旧暦7月15は8月30日になりますが、旧暦に合わせると、新暦で日付が毎年ずれることから、近い日付で8月中旬に固定されています。
新暦でのお盆
お盆休みの頃には、盆踊りも開催されますね。
東京周辺では、盆踊りを新暦で行うところも多く、学校が夏休みに入る頃に行われるところが多いです。
お盆(8月中旬)のころは、地元への帰省などで人が少なくなるためなど事情から、新暦で行われるようになったのかもしれません。
中秋の名月
中秋の名月は、秋の満月を楽しみ、月見団子などを食べたりします。
実は、中秋の名月は、旧暦の8月15日(満月)(基本、旧暦の15日は満月)を指します。
新暦にすると、令和5年は9月29日に当たります。
旧正月
日本では、正月を新暦で1月1日に祝うことが多くなっていますが、沖縄では旧暦1月1日(旧正月)で祝う風習が残っています。
中国などでも、春節で盛大にお祝いします。令和5年は1月22日でした。
おわりに
節句をはじめとする日本の季節を、旧暦で見たほうがしっくり来ることのご紹介でした。
経済活動は新暦で、生活は旧暦でといったのもいいですね。
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