米ドルの金利が上がっていることから、一部の米ドル資産で米国債購入の検討を始めています。
日本国債は、利付国債(購入額に対して、利率に基づき利子が支払われる)であることが多いですが、米国債 (United States Treasury Security) は、ストリップス債(割引債、ゼロクーポン)で扱われることも多いです。
このストリップス債、利回りから計算できる利付国債とは違い、少々計算がややこしいのですが、SBI証券でシミュレーションツールを提供していますのでご紹介します。
ストリップス債のメリット
通常の利付国債は、元本に対して利率に基づき、利子(クーポン)が支払われます。
これに対し、ストリップス債は、元本部分とクーポン(利子)部分を分離し、それぞれを債権として複数の債権として扱われるものです。クーポンは実質支払われないため、ゼロクーポンになります。
実質クーポンが元本(購入分とは異なりますが、実質同じと考えて良いです)として扱われるため、複利効果が期待できます。
こういったスプリット債ですが、メリット・デメリットがありますので、整理します。
メリット | デメリット | |
利付国債 | 定期収入がある (定期的に利子が支払われる) | 利子が支払われる際に課税される |
スプリット債 | ゼロクーポンのメリットを受けられる。 ・課税を先送りできる(皆瀬は満期または売却時) ・クーポンを非課税で再投資、複利運用していることになる | 定期収入がない (ゼロクーポンのため) |
SBI証券のシミュレーションツール
スプリット債の利回り計算は、複利計算のため、少々複雑ですが、72の法則(Wikipedia)で近似値を出すことができます。
ただ、それも面倒なので、SBI証券が提供しているシミュレーションツールが便利です。
以下のSBI証券の債権ページで、取り扱い中のストリップス債より、右側の「試算」をクリックすると始められます。
(以下の国債は、利率4.599%、償還までの期間20.8年)
まず、円か米ドルの購入する通貨を選ぶと(この記事の例では米ドル)、以下の画面になります。
これは、約20年後の償還(満期)時に100ドル得るには、約41ドル必要であることを示しています。
投資額を変更すると、投資額に基づき償還時に受け取れる金額を計算できます。
これで損益シミュレーションを開始すると、以下の画面になります。
ここで、元本に対し、償還額と収益額が算出されます。
また、現在の為替レートに対し、損益分岐点の為替レートが表示されています(この例では、償還時に為替レートが61.87円(過去にここまで円高になったことはない)まで円高になっても利益が出ることを示しています)。
為替レートは、償還額と元本を割った比率に現在の為替レートをかけたものです。
このように、スプリット債の長期保有は、為替レートにも強いことがわかります。
少し下へスクロールすると償還時の想定為替レートを入力して、利益をシミュレーションできます。
これで、想定為替レートで、償還時の受取額を計算できます。
おわりに
SBI証券の米国債(スプリット債)シミュレーションツールについてご紹介しました。
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