令和6年になり、新NISA制度が始まりました。
新NISA対応口座を利用して、投資対象をどうするかに付いていろいろ話題がありますが、多くは全世界株式分散、または全米株式、S&P500インデックス連動が中心となっています。
ここで、てすは現時点ではS&P500が最適と考えているので、その考え方をまとめます。
全世界株式分散
全世界株式への分散投資は、三菱UFJアセット・マネジメントから販売される投資信託eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJアセットマネジメントサイト)(いわゆるオルカン)が挙がります。
この投資信託は、MCSIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)に連動するように設計されています。
ただ、内容を見ると以下のような課題があります。
60%以上が米国へ投資
オルカンというと、全世界へまんべんなく投資されるのかと思えば大違いで、実際には60%以上が米国へ投資されています。これでは分散とは言い難く、米国の影響を受けやすいですね。
新興国では政変や経済変動に大きく左右される
前節のグラフにあるように、先進国へ約90%の投資になっていますが、米国と密接につながる国ばかりです。
新興国(中国除く)はまだまだ、経済規模が小さく先進国の大手企業の出資や資金引き上げなどで、為替、株価が大きく左右されることが多いです。
また、政府による統制が行き届いていない国もあれば、政情不安定な国もあることから、政権により大きく変動するリスクを秘めています。
このため、10%程度は今後の伸び代として見てるなら、投資しない手はないですが、個人的には伸び代としての10%は大きいように思います。
投資先上位10社がすべてS&P500銘柄で、2割弱を占める
以下の、オルカンの上位10社の投資先を見ると、すべてがS&P500銘柄に入っている企業で、全体の20%弱を占めています。
やはりS&P500に偏っているとしか思えませんね。
これなら、S&P500へ投資したほうが効率が良いように思います。
S&P500が強いと思う理由
オルカンを選ぶユーザーの中には、米国の経済が衰えたときのためと考えて分散を考えていることあると思います。しかし本当にそうなのでしょうか?
S&P500は、米国企業で、時価総額が53億ドル以上、浮動株が発行済み株式数の50%以上、4四半期連続黒字を達成している条件を満たす中から選ばれます。
全米株式時価総額の80%をカバー
S&P500対象銘柄は、米国株式の時価総額の80%弱をカバーしています。
このため、全米株式についてもほぼ支配的です。
米国には、ベンチャー企業も多く、時代に合わせて急成長することが多いため、このようなところを狙う(20%部分)のであれば、全米株式も良いと思います。
米国ならではの強さ
S&P500ば米国企業であることは上に述べたとおりです。米国ならではの強さがS&P500を後押ししています。
国力
国力は「DIME」(Diplomacy(外交)、Information(情報)、Military(軍事)、Economics(経済))で構成されると言われています。
これに加え、ソフトパワー(文化・理念、生活習慣の魅力などを通じて他国が倣うように促す力)、これらを活用する意志が必要です。
米国は政治が安定し、政府による統制が働いていることにより、活用意思も働いています。
こういったように、これらすべてを強く持つのは米国のみです。この国力が米国企業を盛り立てています。
日本はそれぞれの部品および統制能力に底力があると思いますが、今の政治では活用する意思がほぼ皆無と思われます。
OECDの中で人口が一位、かつ人口が増加している
人口が多いと、経済の源泉になります。
米国の人口はは3.3億人以上と、OECD(OECDサイト)の中で1位の人口があります。また、人口も増加し続けています。このため、将来の発展も期待できるのです。
日本がGDPを3位を維持できているのは、人口がOECDで2位(約1.2億人)であることです。(GDP2位の中国はOECDに加盟していない)。最近、ドイツ(約8千万人強)に抜かれ4位に転落したとの話もありますが、ドイツはEU圏で、実質人口が多いためと考えています。
基軸通貨である
米国の通貨といえば、ドルです。
ドルは世界の基軸通貨で、世界の取引の40%以上がドルで取引されています。
このように、米国から見ると、基軸通貨利益だけでなく、為替レートの影響も受けにくく、為替コストも最小化されるため、経済的安定を受けられる恩恵が大きいのです。
S&P500対象銘柄の多くは、世界中に投資している
S&P500企業は私達もよく知っている企業も多く、多くの構成銘柄は、世界中に投資しています。
例えばAppleはiPhoneを米国外で生産し、全世界中で販売しています。コーラも世界中で販売されています。
このように、米国企業が世界中の有望な市場へ投資をしている限り、その会社への投資は、実質世界中へ投資していることと同じになるのです。
おわりに
以上、S&P500が強いと思う理由をまとめました。
これらの条件が崩れたとき、見直しを行うタイミングになるかもしれません。
オルカンは、最近信託が引き下げられたため、eMAXISシリーズではS&P500よりも信託報酬が安くなっています。
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