11月も後半になると、デイトレードのような頻繁な売買を除き、保有株式の年間利益が見えてきます。
株式の損益で利益が出ると、通常、所得税と住民税がかかります。
この利益調整により、税金を抑制する(実際には納税繰り延べ)るための対策をまとめます。
(特定口座と一般口座が対象、NISA口座は対象外)。
株式での損益の計算
株式(現物)での損益は、譲渡損益と配当による利益があり、損益通算可能です。
損益で利益が出ると、所得税と住民税がかかります。
配当は受け取るだけなので、単純に利益となり、税金かかります(通常、源泉徴収で、手元には税金分が引かれた金額が入ります)。
譲渡損益はどうかというと、株式の価格変動により評価益もあれば、評価損もあります。譲渡(売却)により評価益(損)で譲渡を行うと、譲渡損益の利益(損失)確定となります。
損失の場合、配当収入と損益通算により配当による利益が少なくなり、配当収入で取られた税金が、譲渡損失分が戻ってくることになります。
そうすると、配当収入額と譲渡損失が同じであれば、配当で源泉徴収された税金がすべて戻ってくることになります。また、配当収入以上に譲渡損失が出ていれば、損失を3年間繰り越せます。
評価損が出ている同一銘柄の株式を一旦売却し、同額で購入するすると、譲渡損失が計上でき、源泉徴収税を抑制する(実際には納税の繰り延べ)手法が取られます。
なお、こういった利益計算は、特定口座(源泉徴収あり)であれば、証券会社が計算してくれます。しかし、特定口座(源泉徴収なし)や、複数の証券会社で特定口座を持っていたり、一般口座では、自分で計算し、確定申告する必要があります。
評価損株式の売買による利益の抑制
前節でご紹介した、評価損が出ている株式を、同一銘柄の株式を同時に同一価格・同数量で売却・購入する手法(クロス取引)をご紹介します。
証券会社のクロス取引サービスで対応する方法
証券会社では、クロス取引サービスを提供しています。
SBI証券や楽天証券などで提供されています。証券会社が取引先となり、売買が可能です。
ただし、手数料がかかりますので、注意が必要です。
取引所取引でのクロス取引
通常の取引所取引でクロス取引を行う方法です。証券会社の手数料は売買手数料以外はかかりません。
ただし、同時に同一銘柄を同一価格・同数量で売却・購入(成り行き含む)することは、不正取引(仮装売買)とみなされますので注意が必要です。
証券会社によっては、こういった同時注文に制限がかけられているところもあります。
では、どうすればよいかというと、売却(または購入)が約定後、購入(または売却)する手法になります。このため、同一価格で約定できるとは限りません。
おわりに
年末に向けての株式の損益の調整の方法をご紹介しました。
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