GnuCashの利用を始めるときに、既に持っている現金、銀行預金、クレジットカードなどの残高をどう扱えばいいの?という疑問が出ます。
ここでは、GnuCash利用開始前に既にある残高の登録についてご紹介します。
現在の残高を、貸借対照表にする
GnuCashを利用開始するときに持っている残高は、貸借対照表として、資産と負債・純資産のどちらかに登録します。
それぞれ見ていきましょう。
銀行預金、現金、電子マネー
銀行預金などの手持ちのお金は、純資産に入れます。
前回ご紹介したデフォルトの勘定項目では、開始残高というものが純資産内に作られていますが、これをそのまま活用しても良いです。
将来的に、外貨などを記録する予定があれば、この開始残高を日本円用として利用すると良いでしょう。
残高登録手順(普通預金の例)
- 普通預金(資産>流動資産>普通預金)を開く。
- 日付を設定し、説明は「開始残高」とする。
資金移動を「資産:開始残高」を選び、入金欄に銀行預金の残高を入力する。
その他、現金や電子マネー残高も同じように登録します。
クレジットカード、カードローンなど
クレジットカードは負債に入れます。
残高(次回引き落とし分)は純資産の開始残高とします。
残高分に対して、レシートや、Webで明細が確認できる場合は、遡って食費などの費用に登録しても良いです。
残高登録手順(クレジットカードの例)
- クレジットカード(負債>クレジットカード)を開く。
- 日付を設定し、説明は「開始残高」とする。
資金移動は「純資産:開始残高」を選び、請求欄に残高(次回引き落とし金額)を入力する。
住宅ローン
住宅ローンは負債に入れます。
管理方法は2通りあります。
1点目は、金銭のみを管理する方法、2点目は、自宅を固定資産として管理する方法です。
しかし、1点目の金銭のみを管理する場合は、管理は簡単ですが、住宅ローン残高が大きければ、純資産がマイナス(債務超過)となってしまい、ある程度住宅ローン残高が減るまでの数十年間にわたり、債務超過状態が続いているように見えてしまいます。
このため、本来の資産把握ができず、その他のローンの組み込みや投資にも適切な判断ができないだけでなく、精神的にも良くないので、2点目のやり方をおすすめします。
金銭のみを管理する場合
登録方法は、クレジットカードとほぼ同じです。
ただ、住宅ローンの勘定科目がないため、新たに作ります。
登録手順
- 負債の配下に住宅ローンを作る。
- 住宅ローン(負債>住宅ローン)を開く。
- 日付を設定し、説明は「開始残高」とする。
資金移動は「純資産:開始残高」を選び、請求欄にローン残高を入力する。
自宅を固定資産として管理する場合
資産内に固定資産として自宅を作り、自宅資産を住宅ローン分と純資産に分けます。
デフォルトでは固定資産と住宅ローンの設定がないので、それぞれの勘定項目を作成します。
資産作成手順
- 資産の配下に固定資産>自宅を作る。
- 負債の配下に住宅ローンを作る。
資産の勘定科目を作成したら、開始残高を登録します。
残高登録手順
- 自宅を開き、日付を設定し、説明を開始残高とする。
- 上のメニューのスプリットボタンを押す。行の内訳が現れる。
- ここに以下の3行を入力する。
- 資産:固定資産:住宅 増加に、家を購入した金額を入力する。
- 純資産:開始残高 減少に、「購入額 ー 住宅ローン残高」の金額を入力する。
- 負債:住宅ローン 減少に、住宅ローン残高を入力する。
上記までの登録で、以下のような資産状態になっていると思います。
おわりに
GnuCashで開始残高の登録方法をご紹介しました。
開始残高入力完了時点で、資産、純資産、負債を見ると、現在ご自身が持っている資産状態がよく見えてくると思います。
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