デビットカード還元と預金利息の損益分岐点

節約/クレカ/ポイント

最近、デビットカード(デビカ)(Wikipedia)で高還元率のものが出始めています。

高還元率のデビカと損益分岐点についてまとめておきます。

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高還元率のデビットカード

高還元率とは、キャンペーンで提供される還元を除き、通常利用で1%以上の還元率と定義します。

また、中には年会費が必要なものがありますが、ここでは年会費無料のものとします。

デビカにより、残高で判定されるものもあるため、残高別にまとめています。

残高V NEOBANK住信SBIネット銀行
(デビットカードPoint+)
ソニー銀行GMOあおぞら
ネット銀行
楽天銀行
200万円未満1.5%1.25%0.5%0.6%〜0.8%1%
200万円〜300万円未満1.5%1.5%0.5%0.6%〜0.8%1%
300万円〜500万円未満1.5%1.5%1%1%1%
500万円〜1,000万円未満1.5%1.75%1,5%1.2%1%
1,000万円以上1.5%2%2%1.2%1%
還元内容Vポイントスマプロポイントキャッシュバックキャッシュバック楽天ポイント
住信SBIネット銀行は普通預金、SBIハイブリッド預金残高で判定
ソニー銀行は、500円未満は総残高、500万円以上は外貨預金、投資信託等の残高で判定
GMOあおぞらネット銀行は外貨普通預金残高で判定

上記のデビカの利用環境は以下のとおりです。

V NEOBANK住信SBIネット銀行
(デビットカードPoint+)
ソニー銀行GMOあおぞら
ネット銀行
楽天銀行
ブランドMastercardMastercardVISAVISAJCB
Mastercard
VISA
物理カード
(キャシュカード一体)

(発行手数料必要)

(タッチ対応)

(タッチ対応)

(タッチ対応)
Apple Pay
Google Pay

損益分岐点

前節で挙げた預金口座は、預金金利がすべて横並びの0.2%(令和7年6月現在)です(楽天銀行はマネーブリッジ適用で0.28%)。

銀行の中には上乗せ金利を提供しているところがあり、SBI新生銀行などは最高0.2%を上乗せし、0.4%になっています。

こういった金利優遇の口座を利用し、還元率の高いクレカを利用するときと、前節でのデビカを利用したときにどちらの還元が多いのかを比較してみます。

ここで、預金額をD、預金金利をi、上乗せ預金金利をp、年間のクレカ・デビカ利用額をA、デビット還元率をr、クレカ還元率をcとします。

そうすると、デビカを利用した場合が、高金利預金利息とクレカ還元分をを上回るためには以下の計算式で現せます。

デビカ還元額(1年) + 預金利息 > 預金利息(上乗せ含む) + クレカ還元額(1年)

左項(不等号の左側)がデビカ利用時の還元額、右項(不等号の右側)右側が高金利預金を利用してクレカ利用した場合の還元額
(簡単のため、デビカやクレカ利用による引き落としによる残額減は考えない)

これを数式にすると、以下のようになります。
預金額をD、預金金利をi、上乗せ預金金利をp、デビカ・クレカ利用額をA、デビカ還元率をr、クレカ還元率をcとします。

A×r + D×i > D×(i+p) + A×c

A:クレカ/デビカ利用額、r:デビカ還元率、D:預金額、i:預金金利、p:上乗せ預金金利、c:クレカ還元率

A×r:デビカ還元額、D×i:預金利息、D×(i+p):高金利預金利息、A×c:クレカ還元額

これを少し整理すると、

A > D × (p ÷(r − c))

となり、高金利預金利息を上回るための必要デビカ年間利用額(A)は預金額(D)に比例していることがわかります(比例定数はp÷(r-c))。

この式に基づき、実際の計算をしてみます。

ここでの条件として以下のように設定します。

  • 上乗せ預金利率(p):0.159%(税引前0.2%)(通常の預金利率と合わせて税引後0.318%(税引前0.4%)
  • デビカ還元率(r):預金額に合わせて最も有利なものを選択(1.5%〜2%)
  • クレカ還元率(c):年会費無料の高還元率のもの1%(楽天カードなど)〜1.2%(リクルートカード)

※預金利息は税金(20.315%)が天引きされるので考慮していますが、デビカ・クレカの還元にかかる税金は考慮していません(状況により所得税等がかかる場合があります)。

結果は以下の通りになりました。

預金額適用デビカ還元率(r)クレカ還元率(c)1%クレカ還元率(c)1.2%
比例定数必要年間利用額比例定数必要年間利用額
10万円1.5%(V NEOBANK0.31831,800円0.5353,000円
50万円1.5%(V NEOBANK)0.318159,000円0.53265,000円
100万円1.5%(V NEOBANK)0.318318,000円0.53530,000円
200万円1.5%(V NEOBANK、住信SBI)0.318636,000円0.531,060,000円
300万円1.5%(V NEOBANK、住信SBI)0.318954,000円0.531,590,000円
500万円1,75%(住信SBI)0.2121,060,000円0.291,445,446円
1,000万円2%(住信SBI)0.1591,590,000円0.21,987,500円
高金利口座利息に対し、デビカ還元のほうが還元額が高くなるためのデビカの最低必要利用額の目安。実際には預金額に比例定数で比例します。
※V NEOBANKは毎月末〜翌月5日までの預金残高が10万円以上あると50pt付与されるため、預金利率が実質年率0.6%加算できます。

ご自身の預金額と、カード利用規模に合わせて、最善のサービスを選ぶと良いでしょう。

おわりに

高還元率デビカを利用した時の、高金利口座の利回りとの還元額をシミュレーションしました。

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