証券投資において、税制優遇措置として、iDeCo(個人型確定拠出年金)(iDeCo公式サイト)とNISA(少額投資非課税制度)(金融庁)があります。
令和6年からはNISA制度が改正され、恒久制度となりました。
では、iDeCoとNISAを投資口座としてみた場合、どのような目的口座として運用するのかの案をまとめました。
iDeCoは60歳以降までの長期継続運用の資金に利用
iDeCoは、加入は任意で、掛金の拠出・運用をおこない、60歳以降に掛金と運用益の合計から年金給付を受けるものです。
このため、iDeCoは「個人年金」ともいわれていますが、長期運用のための投資口座に違いはありません。
この中でメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット
- 掛金は社会保険料同様に所得から控除される(税金が安くなる)
- 運用益は非課税
- デメリット
- 原則60歳以上でないと、引き出しができない(つまり、資金が固定化される)
- 受給確定時にマイナスになることがある(運用損が出ている)
- 維持手数料がかかる(金融機関による)
- 投資先は、投資信託、保険商品、預貯金のみ(金融機関取り扱い商品)
- 毎月積み立てのみ
このように、60歳までは引き出す予定がない資金(当面動かす資金ではない)での資産づくりが目的であれば、掛金の所得控除が受けられるため、有効活用ができます。
しかし、税務上の所得額が掛金を下回る場合は、所得控除を受けられないため、資金が固定化されるデメリットが目立ってくるので向かないでしょう。
NISAは柔軟に運用したい資金に利用
令和6年からNISAが新しくなり、課題も残っていますが随分使いやすくなりました。
メリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット
- 運用益(譲渡益)が非課税
- 都度購入と積み立ての併用が可能
- いつでも資金を引き出せる
- 投資先は、株式、ETF、投資信託等(積み立ては投資信託のみ)
- デメリット
- 投資時の所得控除がない
- 利益と損失の通算ができない(利益が非課税のため、概念がない)
柔軟に資金運用・引き出しをおこないたい場合は、NISAが有効です。
おわりに
投資口座としてみた場合、60歳までは引き出さない資金を運用する場合はiDeCo、柔軟に資金を運用したい場合はNISAが有効と言えると思います。
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